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本と生活について書くブログなのだ。君が好きだ。

5/14深夜に清水マリコ作品の感慨を書く

 どうもです。カジカジカジカです。

4日ほど前まで、どうも心の機微が停滞していて、扉が閉まったような状態が続き、悩んでいました。制作も捗らず、悪夢は見るし(しかもなんか根源的なやつ。)実に苦悩の日々だったのですが。

十代前半に聴いたアルバムをブコフで買い直して聴いたり、なんとか糸口、トンネルの出口を探してじりじり進めた読書と、ふと手に取った、何度も読んだ大好きな漫画本を思いもせず読み耽っているうちに、チャンネルが開いたようです。やった!

さらには大好きな場所に久々に遊びに行った事も大きかったみたいで、昨日今日は休日(久々!)だったのでやみくもに懐かしい小説を読み返してみたところ、思春期の自分と再会して。そのころ分からなかった登場人物の心理が胸に響いたりして。

真っ白な雲ときめ細やかな青空が心の草原を照らし出してるようなモードなのです。

 

今月の読書リストを書くと、

 

寺山修司 ぼくが狼だった頃

筒井康隆 着想の技術

筒井康隆 JAZZ小説(途中)

見城徹 編集者という病い

石丸元章 SPEED

中島らも 砂をつかんで立ち上がれ

 

清水マリコ 君の嘘、伝説の君

渡辺温 アンドロギュノスの裔(途中)

清水マリコ 侵略する少女と嘘の庭

 

阿部共実 ちーちゃんはちょっと足りない

大今良時 声の形 一巻

尾玉なみえ 脳酸球

あだち充 ショートプログラム 一巻

近藤ようこ 見晴らしが丘にて

 

といった感じです。

 

特にあだち充近藤ようこ清水マリコ(分かりやすい読書傾向笑)は、固まっていた心を、優しく切なく解きほぐしてくれました。

 

どうも僕が魅せられるのは、その作者の中に在る宇宙を垣間みたときな気がします。

そこにある因果律が確かなほど、安心して身を委ねられる。耽溺できる。

清水マリコ女史の二作は、多感な頃自然にそうしたように、情景、心理を思い浮かべながら、噛み締めるように読みました。読めました。

後半になると、手の中のページが、めくられ薄くなるのがとてももの寂しく、読み終えた後には読後感ととともに、その宇宙から現実に還ってきてしまった喪失感ーもっとそこに居たかった、彼らと、あの景色とーを感じてしばし魂の抜けたような有様でぼーっとしてしまいました。とても幸福で懐かしい喪失感でした。

 

僕がこの二作を読んだのは14,5の頃だったと思います。

毎日近所の本屋に通って、毎日一冊読んでいた頃。

本屋の棚が宝の山みたいでーアノ頃は本屋さんも活気があったな、なんて。

 

確か最初に嘘庭を読んで、次に嘘伝、嘘妹、ネペンテスーそんな順番でした。

プラモデル作りが好きだった僕は、その頃初恋を経験していた事も有り、すっかり嘘庭の虜になってしまったのでした。

 

書評ブログで他の方も書いていましたが、りあが牧生の部屋を突然訪問する場面。

思春期の少年の、自分だけの世界、ちいさな、一番内緒のー自室に、侵略者たるキラー悪魔中山(笑)が突然あらわれて、存在感を発揮する。

緊張し、美しい同級生の無邪気さにどぎまぎする牧生。

同じ時間と、自分だけが知っているプラモ制作というちょっと思春期には照れる趣味の部屋という秘密の場所を共有した二人に、徐々に穏やかな空気がゆるやかに流れはじめる。

 

この場面が大好きです。

 

今回読み返して新しく感じた事は、誰もが自分だけが知っている「呪い」、それは自分だけの運命の物語であったり、自分だけが知っている(と信じる)世界のルールーそんなものを持っているのかもな、という事です。

りあはそれを独りで抱えていた。嘘伝の智菜もそうですが、その抱えた「ちょっとイタい、痛い物語」を、共に、同じ文脈で、進んでくれる相手。それが傍から見れば、稚拙な、ごっこ遊びのようなものだったとしてもー笑わず、バカにせず、同じくらい真剣に、その心の中の道筋を辿ってくれる相手ー運命の相手に出会う。それが、堪らなく、愛しくて、でもそれすら嘘になりそうなのが現実で、思春期で、とても儚い。

 

でも、だから、いつも、読むたびに心に風がふきます。

 

実は、十代に読んだ時は嘘庭が一番好きで、嘘伝はちょっと暗過ぎてあまり好きではなかった。不思議と心に残ってはいたのですが。

でも今回、二十代も後半になり読んでみると、嘘伝の奇麗なハッピーエンドではない終わり方や、一夏の淡い思いが真空パックされた所にこそ感じる、続いて行く、続いて行ってしまう、全て過ぎ去ってゆく、残酷な人生というものと、それと同じかそれ以上に美しい時間、瞬間、感情、風景に、むしろ永劫の時を見たような気がしました。(オーバーかな)

 

ただの地方都市の廃れた団地の暗い一室が、少年少女には時の止まった永遠の国であり、読んでいるこちらまでも、息が止まるような濃密な空気をそこに感じてしまいます。

 

同じくアダルトゲームのノベライズ(周辺)に出自のある桜庭一樹氏も大好きな作家ですが、共に暗黒少女童話といった趣であるものの、清水マリコ女史のそれは劇作家であることを感じさせる素敵な軽やかさがあって、夏にぴったりです。

小道具の使い方もシンプルに象徴的で、景色と人物の気持ちが爽やかにリンクしていて、気付くと嘘ワールドに居る。連れてかれてる。

 

本当に物語世界に連れてかれると、読み終わったあとに残像がすごくて、他の作品になかなか移行出来ない。自分の現実という絶対唯一の物語にギリギリカムバックするのがやっと。(読んでる間も自分の過去や現在と何度も重なるのだけど)

 

そんな最高な読書が久々に出来て、よし!がんがん本読んで音楽聴いて、ずしずし制作して生活するぞおらあああ、って気持ちになれました。

素敵な作品をありがとう清水マリコ先生。

 

 

皆さんにも素敵な読書体験の奇跡が続きますように。

 

 

では。(明日も朝からバイトdeath...)